郵便切手評論家 池田健三郎 「郵便物から時代を読み解き、切手に親しむ」

経済評論家にして郵便切手評論家でもある池田健三郎が、「ゆうびん」や「切手」を通じて時代を読み解きます。お読みになればこの郵便物・切手コレクションが単なる「切手集め」や「郵便物集め」とは異次元の活動であり、「大人のライフワーク」に最適であることを実感頂けるでしょう。
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ごあいさつ





郵便切手評論家・池田健三郎のオフィシャル・サイトをご訪問いただきありがとうございます。

わたくしは、実際に運ばれた郵便物やそれに貼られた郵便切手などを収集・研究し時代を読み解く知的活動(これをフィラテリー<Philately>と呼びます)を子どもの遊びではなく、「大人のライフワーク」として普及することに力を注いでいます。

1840
年にイギリスで始めて導入された郵便切手は、料金を前払いしたことを示すために郵便物に貼るための証紙が必要となったことに伴って誕生しました。

当初はもっぱら実用のために世に出た切手ですが、19世紀のうちから切手自体の美しさに惹かれて収集する人が出現し、以来170年以上にわたって、人々から「方寸の芸術」とも呼ばれ、世界中で親しまれています。

美しい切手を手元に置いて眺めるということは、私たちに精神的な潤いを与え、日常生活をより豊かなものにしてくれます。

それとともに郵便切手は、各国政府の意図を反映し、その時代ごとの「官製プロパガンダ」としての役割をも担ってきました。

したがって、郵便切手を単に「郵便料金の前払い証票」としてとらえるのみならず、これを多面的に分析してみることは、たいへん興味深いことで、私たちに心地よい知的刺激をもたらしてくれることでしょう。

また、過去の実際に配達された郵便物を収集し、これを分析することで、わが国をはじめ様々な国・地域の歴史を読み解くこともできます。こうした作業は、私たちの好奇心を満たし、創造性を高めてくれます。このような通信史研究における有用性から、古今東西の郵便物(切手の貼られていないものも含めて)の史料としての重要性は、近年とみに高まってきています。

結びにあたり、このサイトがより多くの皆様方との良き出会いのためのツールとして役立つとともに、一人でも多くの方が、フィラテリーに対する理解を深められることを、専門家のひとりとして、心から願っております。








【おことわり】
・本サイトの内容は、池田健三郎が所属する組織などの公式コメントではありません。
・内容(画像含む)の無断転載はご遠慮下さい。
・真面目なご意見メールは大歓迎です(多忙のため、お返事の確約はご容赦下さい)。

ご意見メールはこちらへ: infokenzaburo.com (アットマークは小文字です)

 


池田健三郎
プロフィール


















1968年横須賀生まれ。金沢大法学部卒・早大大学院政治学研究科(公共経営専攻)修了。日本銀行勤務を経て現在は経済評論家、TVコメンテーター、シンクタンク代表のほか、ビジネス・コンサルタントとして活動。

傍ら郵政史における郵便や切手の研究をライフワークとし、郵便研究者・コレクターとして評論活動を行う。しばしばこの分野でも著述やテレビ出演を行っている。この分野の著書として『「郵政」亡国論』(単著)、『訴訟書類の郵便史』(共著)がある。

これらの郵便物を展示用に纏め上げたA4128頁からなるコレクション(プレゼン)は、内外で高い評価を得ており、ニューヨーク、シンガポール、エルサレム、プラハなどの国際コンペ(展覧会)で何れもゴールドメダルを受賞している。また英領ケープ植民地の郵便史研究でも同様に高い国際的評価を得ている。

この間、三谷幸喜さんの映画「笑の大学」では、郵便関係の時代考証や召集令状のレプリカ作成なども手がける。

東京・目白の「切手の博物館」を運営する(財)切手の博物館理事や(財)日本郵趣協会理事を歴任した後、20088月にNPO法人日本郵便文化振興機構を設立し共同代表に就任、全国の非営利活動団体に対し、封筒から切り抜いた使用済切手に対し助成金を交付して支援する活動や、公正なオークション運営を通じて切手・郵便物コレクションを世代を越えて円滑に承継させる活動を続けている。

2017年からは、NPO法人郵趣振興協会共同代表としてフィラテリーのプロモーションにも注力しており、東京スカイツリータウン・ソラマチ9Fの郵政博物館との共催で同館における「特別コレクション展」を年間8回程度プロデュースし好評を博した。

【プロフィール詳細】

1976年頃

郵便切手に興味を持ち始める(最初に買ったのは昭和天皇在位50年記念小型シート)

19821

日本郵趣協会入会、同横須賀支部所属

19834

月刊誌『スタンプクラブ』ジュニア編集委員となり日本郵趣協会・水原明窗理事長より直接指導を受ける

19854

月刊誌『スタンプマガジン』 ジュニア編集委員会代表

19858

ジュニア全国切手展<JUNEX>において大賞受賞

19884

()日本郵趣協会 ジュニア委員長

19897

パリ国際切手展<PHILEXFRANCE 1989>において大金銀賞(審査員賞詞付)を受賞(ユース部門での最高賞)、日本人ユース部門最高賞はこれが史上初

19904

全日本切手展において金賞(特別賞付)受賞

19906

デュッセルドルフ国際ジュニア切手展に(財)日本郵趣協会代表団として参加

19908

ジュニア全国切手展<JUNEX>審査員

199110

日本国際切手展実行委員会委員(賞品部副部長)

199311

水原明窗(日本郵趣協会理事長)氏が逝去、若手の継承者の一人として後事を託される

19974

全国切手展<JAPEX>審査員(-JAPEX2008まで)

19994

()切手の博物館 評議員

20004

全日本切手展 中央審査員

20008

()切手の博物館の鑑定事業を立ち上げ、鑑定委員(鑑定事務局担当併任)に就任(-2008年度まで)

20016

ブリュッセルの世界切手展に日本国際切手展実行委員会代表として参加

20018

日本国際切手展実行委員会委員(監査部長)

200110

()日本郵趣協会 改革プロジェクト委員、コミュニティ通貨“フィラ”を命名・制度化

20026

松澤成文衆院議員と共に郵政公社化法案を精査、衆院総務委で切手濫造濫発が追及される

20034

()切手の博物館 理事(-20089月まで)、()日本郵趣協会 評議員、総務副委員長・国際副委員長

20054

()日本郵趣協会 理事(-20089月まで)

20064

JPSオークションのオークショニアとなる(以降20089月まで事業再生に注力し慢性赤字体質を黒字転化)

20087

NPO日本郵便文化振興機構(JIPP)を創設し共同代表・使用済切手慈善運動本部長に就任

200812

JIPPスターオークション創業、自らオークショニアとなる(現任)

20092

特定非営利活動法人 日本郵便文化振興機構(JIPPが正式発足、内藤陽介、井上和幸両氏と共同で代表理事に就任(兼 使用済切手慈善運動本部長)(現任)

20112

『「郵政」亡国論』を上梓(ワニブックス・プラス刊)

20128

『訴訟書類の郵便史』を上梓(株式会社鳴美刊、岡本哲氏との共著)

20148

ソウルで開催された世界切手展<PHILAKOREA 2014>において金賞受賞(特別賞付)

20165

ニューヨークで開催された世界切手展<WSS NY2016>において金賞受賞、同展のナショナル・コミッショナーもつとめた

20167

NPO郵趣振興協会の設立メンバーとなり、代表理事に就任

201611

英国ロンドン王立郵趣協会フェロー(特別会員)に認証される

20174

特定非営利活動法人 郵趣振興協会が正式発足、共同発起人である行コ國宏、吉田敬両氏と代表理事に就任

2023 8

台北市で開催されたアジア国際切手展<TAIPEI 2023>においてナショナル・コミッショナーをつとめた




 

<切手コレクションの競争展覧会における主な受賞記録>

 

国内展

展覧会名

作品タイトル(フレーム数)

メダル(注)

 

1983

ジュニア全国切手展JUNEX'83

喜望峰(1

 

1984

ジュニア全国切手展JUNEX'84

喜望峰(2

金銀+SP

 

1985

ジュニア全国切手展JUNEX'85
ジュニア全国切手展JUNEX'85 

喜望峰(2
速達郵便史(1

金+大賞

 

1986

全国切手展JAPEX'86

喜望峰(3

銀銅

 

1989

全国切手展JAPEX'89 

喜望峰(3

大銀+SP

 

1990

全日本切手展'90

ケープ植民地(2)

金+SP

 

全国切手展JAPEX'90

ケープ植民地(5

大銀

 

1993

全日本切手展'93 

ケープ植民地(3

 

1998

全日本切手展'98 

喜望峰(3

 

2003

全日本切手展'03

日本の急速送達郵便史(3

金銀

 

全国切手展JAPEX'03

日本の急速送達郵便史(8

金+SP

 

2009

全日本切手展'09

昭和切手時代の急速郵便(3

金銀

 

2014

全日本切手展2014

藤原鎌足5円(1

大金銀(84)
23(TI),30(KS),26(CR),5(P)

 

2015


全日本切手展2015

日本の急速送達郵便史 切手発行以前〜1937年(8

大金(91)(チャンピオンクラス)

 

全国切手展JAPEX2015

藤原鎌足5円(1

大銀(74)
22(TI),24(KS),24(CR),4(P)

 

2016


全日本切手展2016

Postal History of the Cape of Good Hope 5

大金銀(84)

16(T),8(I),31(KS),8(C),17(R),4(P)

 

全国切手展JAPEX2016

英領ニューブランズウィックのセント・イシュー(1

大金銀(84)

27(TI),28(KS),24(CR),5(P)

 

2017

全日本切手展2017

1937年の急速郵便制度改革(4

金銀(77) 21(TI),29(KS),23(CR),4(P)


2018

全日本切手展2018

日本の急速郵便史・拡大期(8

大金(90)(チャンピオンクラス) 26(TI),32(KS),27(CR),5(P)


 

1937年の急速郵便制度改革(5

金銀(78) 21(TI),30(KS),23(CR),4(P)

 

全国切手展JAPEX2018

日本の急速郵便史・拡大期(8

大金(90)(チャンピオンクラス) 27(TI),32(KS),26(CR),5(P)


 

速達郵便物上における「速達料金○銭徴収」および「窓口」表示の研究(1

大銀(73) 21(TI),26(KS),22(CR),4(P)

 

2019

全国切手展JAPEX2019

田沢型6銭(Red Brown)の使用例(1

大銀(70) 20(TI),25(KS),21(CR),4(P)

 

2021

全国切手展JAPEX2021

大東亜戦争に関連する返戻郵便(1

金銀(77) 21(TI),25(KS),26(CR),5(P)

 


 

世界展
(アジア展含む)

展覧会名と開催地

作品タイトル仮訳

(フレーム数)

メダルとスコア(注)

 

1988

<FINLANDIA'88> 於 ヘルシンキ(フィンランド)

Cape of Good Hope 3

銀銅

 

1989

<PHILEXFRANCE'89> 於 パリ(フランス)

Cape of Good Hope 3

大金銀+賞詞

 

1990

<SIMPEX'90> 於 シンガポール
<NEW-ZEALAND'90>
於 オークランド(ニュージーランド)

Cape of Good Hope 5

大銀+SP

 

2005

<TAIPEI 2005> 於 台北(アジア展/台湾)

日本の急速送達郵便史(5

大銀(75)

 

2006

<WASHINGTON 2006> 於 ワシントンDC(米国)

大金銀(85)

 

2011

<PHILANIPPON 2011> 於 横浜(日本)

日本の急速送達郵便史(8

大金銀(88)

 

2012

<INDONESIA 2012> 於 ジャカルタ(インドネシア)

日本における全国サービスとしての急速送達郵便(5

金銀(80)


 

金銀(81)

<SHARJAH 2012> 於 シャルジャー(アジア展/アラブ首長国連邦)

 

2013

<THAILAND 2013> 於 バンコク(タイ)

日本の急速送達郵便史(8

大金銀(88)

 

<Brasiliana 2013> 於 リオデジャネイロ(ブラジル)

日本における全国サービスとしての急速送達郵便(5

大金銀(85)
25(TI),32(KS),24(CR),4(P)

 

2014

<PHILAKOREA 2014> 於 ソウル(韓国)

日本の急速送達郵便史 切手発行以前〜1937年(8

(91)+SP
27(TI),32(KS),27(CR),5(P)

 

<MALAYSIA 2014> 於 クアラルンプール(アジア展/マレーシア)

日本における全国サービスとしての急速送達 1937-71年(8

大金銀(87)
18(T),8(I),32(KS),25(CR),4(P)

 

2015

<TAIPEI 2015> 於 台北(アジア展)

日本における全国サービスとしての急速送達 1937-71年(8

大金銀(87)
17(T),8(I),33(KS),25(CR),4(P)

 

藤原鎌足5円(1

金銀相当(81)
15(T),8(I),31(KS),8(C),16(R),3(P)

 

<SINGAPORE 2015> 於 シンガポール

日本の急速送達郵便史 切手発行以前〜1937年(8

(90)
26(TI),33(KS),26(CR),5(P)

 

<HONGKONG 2015> 於 香港(アジア展)

日本における全国サービスとしての急速送達 1937-71年(8

大金銀(88)
19(T),8(I),31(KS),9(C),16(R),5(P)

 

2016

<World Stamp Show - NEW YORK 2016> 於 ニューヨーク

日本の急速送達郵便史 切手発行以前〜1933年(8

(92)
19(T),8(I),33(KS),9(C),18(R),5(P)

 

<Thailand 2016> 於 ノンタブリ(アジア展/タイ)

藤原鎌足5円(1

金銀相当(84)
24(TI),32(KS),24(CR),4(P)


 

<World Stamp Championship PHILATAIPEI 2016> 於 台北

日本における全国サービスとしての急速送達 1937-71年(8

大金銀(85)
25(TI),32(KS),24(CR),4(P)

 

2017

<MELBOURNE 2017> 於 メルボルン(アジア展)

Postal History of the Cape of Good Hope 5

大金銀(89)
27(TI),31(KS),26(CR),5(P)

 

<BANDUNG2017> 於 バンドン(インドネシア)

大金銀(85)
16(T),8(I),32(KS),8(C),17(R),4(P)

 

2018

<World Stamp Championship ISRAEL 2018> 於 エルサレム


日本の急速郵便史 初期(8


(91)
18(T),8(I),33(KS),9(C),18(R),5(P)

 

<PRAGA 2018> 於 プラハ

日本の急速郵便史 初期(8


(92)
18(T),9(I),32(KS),10(C),18(R),5(P)

 

藤原鎌足5円(1

大金銀相当(86)
18(T),8(I),30(KS),8(C),18(R),4(P)

 

2019

<SINGPEX 2019> 於 シンガポール(アジア展)

日本の急速郵便史 拡大期(5)         

(90)
18(T),8(I),33(KS),8(C),18(R),5(P)

 

2021

<PHILANIPPON 2021> 於 横浜(アジア展)

日本の急速郵便史 初期(8)         

(90)
17(T),9(I),33(KS),8(C),18(R),5(P)

 

2023

<TAIPEI 2023> 於 台北(アジア展)

日本の急速郵便史 旧郵便法下 19331937(5)         

大金銀(85)
17(T),7(I),32(KS),8(C),17(R),4(P)

 

<THAILAND 2023> 於 バンコク


 

日本の急速郵便史 初期(8


 

(93)
18(T),8(I),34(KS),9(C),19(R),5(P)

 

【これまでの国際展獲得メダル】 合計28 (うち8、大金銀12、金銀4、大銀3、銀銅1

(注)

SPは特別賞つき

・スコアの内訳: T= treatment  I= importance  KS= knowledge and study  C= condition  R= rarity  P= presentation

・内外の展覧会におけるメダル(賞)のランクは上位から大金、金、大金銀、金銀、大銀、銀、銀銅、銅の順となっています(ただし当時のジュニアの世界展は大金銀が最高位、国内のジュニア展は、金、金銀、銀、銀銅、銅の順)

・ワンフレーム展示はメダル授与がない場合があるが、その場合も1個獲得としてカウント(文献は除く)







専門家としての
活動






郵便切手評論家としての主なTV出演
 BSジャパン「昭和は輝いていた」(写真参照)
 テレビ朝日「クイズ雑学王」
 ABC「ビーバップ!ハイヒール」







切手の展覧会出品やコレクションづくりのサポート
池田健三郎は、郵便切手や郵便物を収集・研究する知的活動(これをフィラテリー<Philately>と呼びます)を子どもの遊びではなく、「大人のライフワーク」として普及することに力を注いでいますので、その一環として以下のような考え方に基づいて、郵便切手のコレクションづくりのサポートや、展覧会出品の支援を行っています。

    


・はじめに
 「切手および郵便物コレクションの展覧会」を略して「切手展」と呼びます。切手展は、絵画を趣味とする人々にとっての「絵画展」と同様、フィラテリーを対象とした展示会で、世界規模のものからローカルなもの、プライベートなものまで様々ありますが、ここでは一般的な全国規模の切手展ということで、毎年開催されているコンペ形式の切手展である全日本切手展、および全国切手展<JAPEX>を例に説明します。

・競争切手展とは
 全日本切手展および全国切手展<JAPEX>は、いずれもわが国最大の郵便・切手コレクションの展覧会(公募展)で、毎年開催されています。ともに、競争出品をひろく全国のコレクターから公募して展示し、専門家が審査を行って、とくに優れた作品にはメダルや特別賞を授与します。競争出品というと、何か難しい印象を受けるかも知れませんが、ルールにしたがって作品を制作していただければ、コレクター歴、国籍、住所あるいは年齢等を問わずどなたでも自由に出品することができる、開かれた展覧会です。


展覧会の会場風景(2011年の世界切手展PHILANIPPON2011<於 横浜市>)

・「自己満足」からの脱却
 たとえば、絵画を趣味とする人が、どれほど素晴らしい絵を描いたとしても、「これを他人に決して見せない」というのであれば、これは「自己満足」の域を出ることはないでしょう。しかし、この「自己満足」のレベルを乗り越えて、自分の作品を公募展(例えば「日展」や「二科展」など)に出品して審査を受けるとなったらどうでしょう。他人から評価されることで自分の作品の良い点・改善すべき点が明確になり、以後の創作活動に意欲が湧いてくるのではないでしょうか。そしてこの経験は恐らく、出品者の実力を伸ばすことでしょう。その喜びや楽しみをより多くの人が共有すれば、長い年月の経過とともに、日本の芸術・文化の発展に結びついてゆくことでしょう。絵画や書の世界に「展覧会」があり、スポーツの世界には「試合」があり、また音楽の世界には「発表会」や「コンクール」があって、それぞれ発表(競技)、審査、表彰といった場面があるように、フィラテリーの世界には競争切手展があるのです。

 ところで、残念なことに世間一般では、「切手コレクション」というと、単なる「モノ集め」といったイメージで語られることが少なくありません。確かに、いかに高価で貴重なアイテムであっても、単に切手やカバーを買って箱や袋に入れっぱなしにしていたのでは、「コレクション」ではなく「モノ集め(アキュムレーション)」のレベルに止まってしまいます。しかし、集めた材料をきちんと整理すれば、これは立派な「コレクション」であり、コレクターの個性の現れたひとつの「作品」となります。もっとも、これを他人に一切見せないというのであれば、せっかくの「作品」も「自己満足」の域を出ることは難しいでしょう。そこで、思い切って自分のコレクションを「よそ行き」の服装に着替えさせて、多くの人の目に触れさせる機会をつくる、すなわち、きれいにレイアウトして公募展に出品する、ここまでくれば、これはもう立派な「文化活動」です。

 公募展において、コレクターのみなさんが、個人の成果をまとめあげた「作品」を展示・公開し、共通のモノサシ(基準)による審査を通じ客観的な評価を受け、自分の作品の良い点・改善すべき点をハッキリと認識し、以後の郵趣に意欲をもてたら、それはすばらしいことです。競争切手展の場で繰り広げられる「知と技の競い合い」が高度な文化活動としての日本の郵趣の質をさらに高め、この素晴らしい活動をさらに発展させてほしいとの願いの下で、こうした展覧会は運営されています。

・誰でも気軽に出展できる
 公募展に参加するには、とくに難しい条件はありません。主催者が発表している最低限のルールさえ守れば、誰でも気軽に出品することができます。実際に展示場に飾られるためには、予備審査を通過するというハードルはありますが、事前に発表される審査基準などを良く読んで作品作りをすすめれば、必ずや及第点が獲得できるはずですので、心配する必要は全くないといえます。

・高価な切手、珍品切手は必ずしも必要ない
 ちなみに、「切手展」というと、「高価な、あるいは珍しい切手が入っていないコレクションは評価されない」などと思いがちですが、そのようなことはありません。確かに、貴重な材料が含まれたコレクションが高い評価を受けやすいという面が全くないわけではありませんが、採点項目のうち「材料の状態と希少性」に対するポイントは全体の3割程度を占めるに過ぎず、「希少性」だけなら2割にとどまります。

切手展における審査の配点(世界展および全日本切手展等の場合)

項目

配点

主題の選定(importance)
展開の仕方(treatment)

10
20

知識(knowledge)
独自の研究(study)

15
20

状態(condition)
希少性(rarity)

10
20

プレゼンテーション(presentation)

5

合計

100


つまり、作品の評価を左右する要素は、その殆どが、知識やアイディア、あるいは美しく仕上げるセンスやテクニックなどによって占められているのです。フィラテリーが「知的遊戯の極致」と言われる所以です。

・透明性と説明責任
 全日本切手展は、審査の透明性を確保するため、FIP(国際郵趣連盟)の国際切手展に準拠したルール・基準を公表し、審査はこれに基づいて審査員(すべて国際展上位入賞経験者)が行っているため、高い信認を得ています。他方、全国切手展<JAPEX>の審査員には、残念ながら国際競争展入賞経験すらない人物も一部に含まれ、国際基準と乖離した審査結果も稀に見受けられますが、概ね全日本切手展に準じた審査を目指した運用がなされています。また、両切手展ともに、出品者及び世間一般に対する説明責任を果たし、審査に対する信頼を高めるために、個々の出品者に対し採点項目ごとの得点や詳しいコメントを記載した『評価通知表』を作成し、出品者にフィードバックしています。会期中に審査結果が貼り出された段階で『クリティーク(審査員との対話)』を実施し、作品が飾られたフレームの前で出品者と担当審査員が直接対話する機会を設けています。審査員対話では、作品に対する評価や改善点などを直接聞くことができるため、出品者には概ね好評です。

・バックアップ体制
 「公募の競争切手展に応募してみたいが、作品づくりについて疑問や迷いがある」という方や「作品を作ってはみたものの、評価が気になって仕方がない」という方は、応募締切り日まで余裕のある段階でお申し出いただければ、私を含む日本郵便文化振興機構(JIPP)の役員が個別にご相談に応じています。






書籍・雑誌・展覧会出品






書籍、雑誌における主な執筆
 

『訴訟書類の郵便史』

(株式会社鳴美)

『「郵政」亡国論』

(ワニブックスPLUS新書)

「郵政民営化を考える
『隠れ負債』の解消なくして郵便事業に活路なし」

「論座200410月号」<朝日新聞社>所収)

「日本の急速送達郵便史」

(「PHILATELIC JOURNAL2013」所収)





 














公式ブログ
おすすめリンク集








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池田健三郎 おすすめリンク集
 情報収集用サイトや現在の関係先等を順不同に掲載しています

NPO法人 日本郵便文化振興機構

http://www.jipp.jp/

スター☆オークション

http://www.jipp.jp/TOPHEX-web/

NPO法人 郵趣振興協会

http://kitte.com/

ジャパンスタンプ商会

http://www.japan-stamp.com/

一般社団法人 全日本郵趣連合

http://alljapanstamp.blog.fc2.com/

切手市場

http://kitteichiba.babyblue.jp/

郵便学者・内藤陽介のブログ

http://yosukenaito.blog40.fc2.com/

ナイショのDOCTOR's DIARY

http://y2net.way-nifty.com/diary/















仕事依頼・ご相談






 

所属プロダクション: 株式会社三桂

池田健三郎のテレビ・ラジオ出演、講演・セミナー講師のマネジメントを担当する事務所です
郵便切手に関連するメディア関係のお仕事のご依頼、お問い合わせは下記までお願いいたします

e
メール web@sankeipro.co.jp

電話 03-5485-0303 担当マネージャー 龍田(たつた)
所在地: 東京都港区南青山7-10-3 南青山STビル3F

ご来訪の際は、必ず事前にeメールにてアポイントメントをおとりくださるようお願いいたします

特定非営利活動法人 日本郵便文化振興機構(JIPP

池田健三郎が共同代表を務める非営利団体です
上記のメディア関係以外のご依頼や各種ご相談(郵便文化や切手収集・研究に関すること、処分や売却、展覧会出品に関するご相談等)はこちらにお願いいたします。

eメールinfo@jipp.jp

158-0098
東京都世田谷区上用賀6-33-16 ファミリーパーク上用賀402

tel
 03-6322-4401
fax 03-6326-9579

OPEN
 火-土曜日の1400-1800(日・月・祭日休)

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PRIVATE TREATY
(池田健三郎セレクションのコレクターズ・アイテム)



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更新は不定期に行いますので、ときどきチェックしていただければ幸いです。

すべて1点ものでございますので、ご希望の方は、まずメールにて在庫の有無をお確かめください。

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2023123日更新
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